「けれんみ」は漢字でどう書くのだろう?
意味は・・・
分かっているようで・・・
分かっていないようで・・・
と、曖昧だったので、調べてみた。
けれんの表記と意味
「けれん」は漢字では「外連」と書く。
そして、「けれんみ」は「外連味」。
ただ、これは当て字とのこと。
一般的には「ケレン味」「けれん味」と表記するようだ。
「ケレン」は本来「ごまかし」「はったり」「正統でない」「邪道」といった否定的な意味の言葉である。
「ケレン味」とはそのようなニュアンスを持つ何かしらを表現するときに使う。
否定的な意味のケレン味
本来の否定的な意味合いでは「ケレン」は「ない」ほうがよい。
だから、相撲だったり、文章だったり、人柄においては「ケレン味がない」はほめ言葉になる。
「ケレン味のない相撲」というと、変化したりしないで、まっすぐにぶつかっていく相撲ということになるだろう。
「ケレン味のない文章」なら、飾りっ気のない素直な文章というニュアンスになるだろう。
「ケレン味のない人柄」であれば、真面目な、誠実な人に対して使われるだろう。
肯定的な意味でのケレン味
しかし、この「ケレン」という言葉が演劇の世界に定着するようになると肯定的なニュアンスを持つようになる。
歌舞伎用語では
大道具【おおどうぐ】や小道具【こどうぐ】の仕掛【しか】けを使って、観客の意表をついたり驚【おどろ】かせるような演出のことを指します。 早替り【はやがわり】や宙乗り【ちゅうのり】、葛籠抜け【つづらぬけ】などが、その例。(出典歌舞伎事典)
と定義される。
平たくいうと「(芸の本道から外れた、良い意味での)奇抜な演出」となるだろう。
だから「ケレン味のある芝居」というとそれは良い芝居のことになる。
同様の表現「ケレン味が効いている」「ケレン味豊か」もほめ言葉だ。
まとめ
ということで、「ケレン味」について調べてみたが、一般的に「ケレン味」という言葉は、その後に「ある」もしくは「なし」をつけて、ほめ言葉として使われるようである。
ただ、その対象や文脈によって「ある」「なし」を使い分けないと、そうはならないので、注意が必要である。
今まで、自分は「ケレン味」という言葉を曖昧にしか理解していなかったが、これでほぼ理解することができた。
ほぼ、というのは、これは書き言葉としてのほうが一般的なのだろうか?
それとも普通に話し言葉として使っても違和感はないのだろうか?
ということについては今回十分に調べ切れなかったからだ。
ただ、今までは会話の中で「ケレン味」という言葉は耳にした記憶がないので、それほど頻繁に使用されるものではないのかもしれない。
知らんけど。