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アホの坂田さんの訃報にアホの坂田を思い出した


早朝、ホットミルクを片手にYahooニュースを開くと、真っ先に飛び込んで来たのがアホの坂田さんの訃報だった。

享年82歳。老衰とのこと。82歳と言えば、父と同い年だ。現代日本の感覚からすると、82歳で老衰は早すぎるようにも思える。

しかし、大病はせずも、年々、弱っていき、足元がおぼつかなくなる父を見ると、まあ、そんなもんかな、とも思う。

アホの坂田さんの訃報に一つ思い出した事がある。それはアホの坂田のことだ。

僕の言うアホの坂田は亡くなったアホの坂田さんとは別人のアホの坂田だ。

アホの坂田さんはアホを演じておられたわけだが、僕が知るアホの坂田は正真正銘のアホだった。

だから、僕の中での本物のアホの坂田は彼である。リアルアホの坂田。

となると、今回亡くなられたアホの坂田さんは、偽物かと言うと、もちろん本物ではある。

しかし、ある意味それは作り物だった。僕が知るアホの坂田は生粋のアホだった。

僕が彼と初めて会ったのは、今から30年前。父母のところから逃げるようにして地元から出た年だ。

彼は私より2-3歳上だったので、今は50代前半。どんな中年になってるだろう?歯は一本も無くなってるだろうこと以外はまったく想像がつかない。

30年前。私が期間工として働くことを選んだ大きな理由の一つは、その派遣会社に寮があったからだ。それは、とにかく親元から離れたかった僕には都合がよかった。

僕が属していた派遣会社はレオパレスの1棟を寮としていて、2DKの一室に4人の社員を住ませわせていた。

あとで、他の派遣会社は2DKに2人、つまり、一人に一部屋与えられていることを知った。

派遣会社で結構待遇に差があるものなんだなと、釈然とはしなかったが、それは私が社会に出て初めて知る世の不条理…というのはお袈裟かもしれない。

その寮の同室者の知人として、よく遊びに来ていたのがアホの坂田、その人であった。

…続く